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産業スパイ被害事例

以下の事例においては被害者や原告が勝訴したものを多く掲載していますが、3つ目の事例にもあるように、

  • 持ち出された情報が営業秘密として認定されないこと
  • 被告に違法行為が認められないこと

等により、敗訴するケースの方が多く、不正競争防止法という法律が定められている事さえ知らず泣き寝入りする場合も多いのです。

また、反社会的勢力を黒幕とした銀行員による情報漏洩事件のように、今後、対象企業の内部人物を産業スパイに仕立て、多額の不正の利益を狙った事件が発生すると考えられます。

過去の具体的な被害

借金の形に顧客情報漏洩

証券会社のシステム部部長代理が、同社の顧客情報149万人分、企業情報122万件分をCD-ROMにコピーし、それを名簿業者に35万円で販売して最終的に4社に転売されていた事件。
システム部部長代理という、本来ならデータベースを管理しなければならない立場の者が地位を利用し、そのアクセス権を悪用して派遣社員に命令しデータを抜き取らせ、情報漏洩を行っていた。
会社側の損害は70億円以上であった模様。
この事件の動機は「システム部部長代理としてのストレスが溜まり、そのストレスを解消するためにキャバクラに通い詰めてしまい、その結果、借金が500万円を超えていた」という身勝手なものであった。
結局、この件では、システム部部長代理は懲役2年の実刑判決を受けた。

営業秘密を海外企業へ流出

国内大手製鉄会社のSは同社の複数の元社員から、電気を家庭に送る変圧器等に使われる「方向性電磁鋼板」の技術情報を、韓国大手鉄鋼企業Pが不正入手したとして、不正競争防止法に基づき、986億円の損害賠償や製造販売差し止めを求める訴訟を起こした。
米ニュージャージー州連邦地裁にも同様の訴えを提起すると共に、技術漏洩に関わった元社員10名も訴訟され責任を追及される事となった。
Sは製造技術を持ち出したとされる元部長級社員の自宅から、Pとの通信履歴等の証拠を裁判所を通じて確保し裁判を優位に進め、その後P及び元社員男性らが共に和解金を支払い、Sは訴訟を取り下げた。

退職者による企業秘密データ持ち出し

Aは電機機械製造会社 Bの従業員であるが、同社の機械製造マニュアルを会社のパソコンからA自宅のパソコンヘメールで送信し、B社を退職後に当該マニュアルを使って同業会社を営むことに活用した。
Aが同業会社を営んだことから、不審に思ったB社はAの使用していたパソコンからマニュアル が送信されていたことを発見し、不正競争防止法の不正取得罪であるとして告訴。
しかし裁判では、当該マニュアルが営業秘密の秘密管理性が不十分(従業者であれば誰でも閲覧可能であった)だった事から不起訴となり、民事訴訟へと移行した。

反社を黒幕とした銀行員営業秘密侵害

銀行の行員が借金を理由に闇金業を営んでいる共犯者から「銀行の内部情報を教えないと会社や元妻の所に取り立てにいく」と脅され、銀行2支店への建造物侵入および窃盗、そして高額預金者の情報漏えいを行った。

この行員は、平成28年8月、共犯者に現金保管庫の扱い方の動画を渡したり、現金3000万円の事前準備の要請をした上、金庫破りの目的で支店への建造物侵入ほう助を行った。(窃盗に関しては未遂)また、同年10月には、同僚宅から支店の鍵および警備カードを盗んだ上、職員専用出入口を解錠し別の支店に侵入して現金5430万円を盗んだ。

さらに、高額預金者169人のデータが平成28年7月にこの行員により持ち出され、共犯者に渡ったことが逮捕後の平成29年5月、共犯者の弁護士がリストを提出したことにより発覚した。流出に伴う情報の悪用や窃盗の被害は確認されていないというが、共犯者が犯罪に利用する目的で持ち出させたと思われる。

一連の窃盗事件では合計11人が逮捕されており、元行員は懲役6年の刑が確定している。また、事件後の内部調査により、元行員は顧客から定期預金や投資信託として預かった現金合計1300万円を流用した業務上横領でも再逮捕されている。銀行は10年ほど前から元行員の借入額が増えているのを本人の申告で把握し注意を促していたというが、この窃盗や横領、他の不祥事に関して頭取の5%の減俸と23人に処分を課し、謝罪会見を行った。

いずれの事案も前兆の見極めが大事であり、その為には全社員、特に直接に係わる者は営業秘密保全の重要性を認識し、秘密漏洩に係わる何らかの前兆を「まさか」ではなく「念のため」と考え、上司に報告する事で未然防止を図るという危機管理意識を持つべきです。
さらに、幹部においては、風通しの良い明るい職場づくりに留意し、定期的に面談を行うなどコミュニケーションや、自己の業務に対する意欲を高めさせる事が、不正による利欲を抑える為に重要となります。

上記の様な被害事例は、年々増加傾向にあり、水面下では暴力団(反社会勢力)等が資金源獲得の為に、常にターゲットとなる企業の情報を収集していると考えられます。

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